どうしてなるの?

病気になるメカニズムはまだ十分に分かっていない所もありますが、猫が十分な栄養を取れなくなると、体の中の脂肪が分解され、肝臓の中に急激に中性脂肪(トリグリセリド)が蓄積しているために発病すると考えられています。食欲不振の原因はさまざまで、原因が分からない場合もありますが、肝臓や胆管の他の病気をはじめ、胃腸や膵臓の病気が原因となる事が多いと言われています。


症状は?

数日以上にわたり、食欲が落ちているまたは全くない状態が続くと、肝リピドーシスになる恐れがあります。この期間が長くなると、明らかな体重減少も認められます。

食事の変更や生活環境の変化など、ストレスが原因で食欲不振になる事も原因となりますが、胃腸や膵臓に原因となる病気がある場合には、嘔吐や下痢などの消化器症状が初期からみられることもあります。

肝臓の機能が悪くなるにしたがって、元気がなくなり、さらに食欲がなくなります。そのためさらに肝臓に脂肪が溜まってしまうという悪循環も考えられます。白目や皮膚が黄色くなる黄疸や、嘔吐、大量の涎が出てしまう「流涎」などの症状も見られるようになります。


どうしたらいいの?

食欲の減退や廃絶が認められたら、なるべく早く動物病院を受診しましょう。血液検査、レントゲン検査、超音波検査などを行います。

肝リピドーシスは、できるだけ早く治療を始める必要のある病気です。原因となったほかの病気の診断が確定していなくても、治療を始める場合が一般的です。

肝リピドーシスに対する特効薬はなく、治療の中心は栄養療法で、食欲のない猫に何とか栄養補給を行い続けることが重要です。しかし、食欲がなく自分では食べようとはしないため、強制的に栄養を与えることが必要となります。無理に口の中に食べ物を入れても吐きだしてしまうなら、鼻や食道、胃にカテーテルと呼ばれるチューブを設置して、少しずつ流動食を与えていきます。栄養を与えないと肝臓は良くならないのですが、食欲がない期間が長い場合には、体が食べ物を受けつけなくて、かえって嘔吐や涎などの症状が悪化する場合もあります。しかし薬を使って症状をコントロールしながら栄養を与え続け、根気よく治療を行う必要があります。治療は数か月に及ぶこともあるため、自宅での介護も重要になります。

 当院では、定期的な健康診断の血液検査や、ペットドックを行っております。早期発見と早期治療が行えるよう、定期的な健康診断をお勧めします。

検査を受ける猫

加齢によりがんの発生率が高まるのはヒトも猫も同じです。

そして、ヒトと同じように、猫のがんも早期発見・早期治療がその後の生活の質や余命を左右します。

大切なネコちゃんの命を守るために、今回は猫に多いがんとその症状・原因をご紹介したいと思います。ご紹介する症状を参考に、日々ネコちゃんの体をチェックする習慣をつけましょう。


脱毛を伴うしこりや嘔吐・下痢など:肥満細胞腫

肥満細胞とは皮膚や粘膜にあり、猫の体型に関わらず全身の組織に存在している細胞です。肥満細胞は免疫細胞のひとつであり、通常は身体を守る働きをしていますが、がん化すると肥満細胞腫になります。

肥満細胞腫にはその名のとおり皮膚にできる皮膚型肥満細胞腫と、内臓にできる内臓型肥満細胞腫の2つのタイプがあり、皮膚型肥満細胞腫の50〜90%が良性であるのに対し、内臓型肥満細胞腫の85%以上は悪性とされています。

いずれの治療方法も基本的には腫瘍とその周辺の切除手術となり、腫瘍を完全に切除できないなどの場合には、放射線治療や化学療法を行います。

症状は次のようにそれぞれ異なりますが、猫の場合は皮膚型肥満細胞腫の方が多く発症する傾向にあるようです。

皮膚型肥満細胞腫の症状

まれに複数箇所に多発することもありますが、多くの場合はポツンと1個だけしこりができます。小さいものであれば数ミリほどと目立ちにくく、その場合、痛みや痒みなどもほとんどありませんが、しこりの部分が脱毛するのが特徴です。

しこりができる場所は、耳や耳の付け根、目の周りといった頭部、首のまわりが多いものの、身体のいたるところにできることがあります。

内臓型肥満細胞腫の症状

初期症状として軽い嘔吐や下痢から始まり、病状が進行するにつれてそれらの症状も悪化します。さらに、元気がない、食欲がない、一度眠ってしまうとなかなか起きない、体重が減少するといった症状を伴うこともあるでしょう。

お腹にしこりができたり、しこりができることで痩せていてもお腹だけが出ているように見えることもあります。

肥満細胞腫の原因は遺伝という説も

肥満細胞腫のはっきりとした原因はわかっていませんが、他の品種に比べてシャムの発症率が高いことから、遺伝が関係しているという説があります。

また、多発性の皮膚型肥満細胞腫では、いわゆる「猫エイズ」と呼ばれる猫免疫不全ウイルス(FIV)を発症した際に併発することがあるため、FIVとの関係があるとも考えられています。平均発症年齢は9〜10歳と高齢の猫の方が発症しやすい傾向にありますが、シャムについてはその限りではありません。


ほくろ状のものや食欲不振・口臭など:悪性黒色腫(メラノーマ)

悪性黒色腫とは皮膚がんの一種で、メラニン細胞ががん化して悪性腫瘍となることから別名メラノーマとも呼ばれています。

悪性黒色腫は口腔内や皮膚、眼球、手足の指といった場所にできやすく、進行スピードが速いため、口腔内で発生したものが肺などの内臓に転移することもあります。

一見ほくろやシミに似ていますが、色がまだら、丸などではない不規則な形、周りの皮膚との境目が滲んだようにはっきりしていない、触ると周りの皮膚より硬いなどの特徴があるため、疑わしい場合は動物病院を受診しましょう。

また、腫瘍が大きくなってくると口腔内の場合は食欲不振や口臭、よだれが出るといった症状も見られるようになるため、歯周病や歯肉炎と間違えてしまうこともあります。

悪性黒色腫の治療は、小さな腫瘍であれば外科手術による切除が可能ですが、例えば顎の骨にまで腫瘍が広がっている場合は骨ごとの切除、眼球であれば眼球ごとの切除を行います。臓器に転移している場合は切除が難しい場合などには放射線治療や化学療法を行うこともあるでしょう。

前述のとおり、悪性黒色腫は進行スピードが速く、手術後に再発することも少なくありません。そのため、早期発見と経過観察が非常に重要なのです。

悪性黒色腫(メラノーマ)は刺激が原因となることも

悪性黒色腫はメラニン細胞ががん化することで起こりますが、がん化の原因のひとつとして考えられるのが慢性的な刺激です。例えば口腔内であれば、硬いフードを食べることや、歯周病により起こる慢性的な炎症などが挙げられます。

歯周病を防ぐためには歯ブラシによるブラッシングが効果的ですが、ブラッシングの際も力を入れすぎると刺激となってしまいますので注意が必要です。

この他にも、免疫力の低下やストレスといった原因も考えられるため、悪性黒色腫にはっきりとした予防法はありません。しかし、悪性黒色腫の多くは目に見える場所に発生するため、日頃からネコちゃんの身体をよくチェックし、早期発見を心掛けましょう。


下痢や嘔吐、食欲不振など:リンパ腫

寝転がる猫

リンパ腫とは白血球の一種であるリンパ球ががん化することで起こるもので、猫はヒトの20倍の確率でリンパ腫が発生すると言われています。

リンパ腫と一口に言ってもその種類や症状は様々なのですが、ここでは、猫によくみられるリンパ腫のうち、最も発症の多い消化器型リンパ腫に絞って症状を解説します。

腸にできる消化器型リンパ腫では、まれに全く症状が出ないケースもありますが、多くの場合は下痢や嘔吐、食欲不振や体重の減少、腹部にしこりができるなどの初期症状が表れます。さらに、症状が進行してくると、食事ができなくなるだけでなく、下痢などの症状が急激に悪化します。

なお、いずれのリンパ腫も治療は化学療法が中心となり、半年から1年以上かけて繰り返し治療を行っていきます。外科手術や放射線治療は限られたケースにのみ行われることがほとんどです。

リンパ腫の原因は猫白血病ウイルス(FeLV)が深く関係している

リンパ腫を発症した猫の平均年齢は8〜10歳ですが、平均よりずっと若い3歳程度の猫がリンパ腫を発症することがあります。そして、これら若い猫の多くは猫白血病ウイルス(FeLV)に感染していることが多いため、猫白血病ウイルスはリンパ腫の原因に深く関係していると考えられているのです。

この他にも、原因としては免疫力の低下やストレス、腸管の炎症などが考えられ、いくつかの原因が重なることで発症を引き起こしていると考えられます。

原因が明確ではないため確実にリンパ腫を予防できるわけではありませんが、若いうちからFeLVの感染を防ぐためのワクチン接種を受けることで、少しでもリンパ腫になるリスクを減らすことができるでしょう。


今回ご紹介したがん以外にも、猫が多く発症するがんには扁平上皮がん、乳がん、肝細胞がん、鼻腺がんなど様々なものがあり、なかには発症原因がはっきりしないものも少なくありません。

がんは早期発見が非常に重要です。そのため、日頃からのネコちゃんのボディチェックに加え、特に6〜7歳頃からは定期的に動物病院で健康診断を受けることをおすすめします。

また、疑わしい症状がある場合はすぐに動物病院を受診しましょう。

トイプー

愛犬といつまでも楽しく暮らすために、愛犬の健康管理は欠かせません。

毎日飼い主の皆さんはワンちゃんの体調に気を配っていると思いますが、気づかないうちに進行してしまう疾患もあります。

今回は、健康診断を受けることの大きなメリットについてお話します。


犬にも健康診断は必要です

ほとんどの人が、少なくとも年に一度は健康診断を受診していると思います。中年を過ぎたら自分から進んで人間ドックを受けたりしますよね。

なかには定期健康診断や人間ドックで病気が見つかった人もいるでしょう。人間にとっても、ワンちゃんにとっても健康診断の一番の目的は病気の早期発見です。

家族の一員であるワンちゃんにも健康診断が必要な理由はこれだけでもおわかりいただけると思いますが、実はワンちゃんには、人間以上に健康診断が必要なのです。

その理由は以下の3つです

  • 犬は自覚症状を訴えられない
  • 加齢速度や病期の進行が速い「人間の1年は犬の4年」
  • 獣医さんに慣れていないと治療がうまくいかない

健康診断を受けていれば防げる3つの不幸

犬

飼い主さんは、愛犬のことを自分の子どもや配偶者以上によく知っていると思っているかもしれません。しかし、人間と犬との大きな違いを忘れていませんか。

ある調査では、ペットを動物病院に連れて行くのは明らかな症状が出てから病院に行くケースが大半で、その後半年未満で亡くなるペットが5割以上。健康管理や通院が遅くなった事を後悔している飼い主さんは6割以上だそうです。[注1]

[注1]Team HOPE: 2017年ペットの健康管理に関する実態調査[pdf]

1.「犬は自覚症状を訴えられない」から気がついたときには手遅れに

人間でも重大な疾患の初期症状はわかりにくいものです。なんとなくだるいとか、疲れやすくなった、という症状をワンちゃんは飼い主さんに言葉で伝えることができません。

お散歩に行きたがらない、寝てばかりいるという症状があっても、高齢犬であれば、「歳のせい」にしてしまうでしょう。

犬の3大死亡疾患は「がん」「心臓病」「腎臓病」です。
どれも早期発見、早期治療で進行を遅らせることができます。しかしこれらの病気は、検査をしなければ初期にはわからない事がほとんどです。

「しこりがあって触ると痛がる」「息が荒くて歩くのもやっと」「おしっこが出なくなった」など、飼い主さんが明らかにおかしいと判断できるような段階で来院されても、もう手の打ちようがありません。

2.「人間の1年は犬の4年」“様子見”は危険です

犬の寿命は犬種にもよりますが、人間の寿命よりもはるかに短いことは残念ながら事実です。

一般的に「人間の1年は犬の4年」と考えてくださって構いません。加齢が速いということは病期の進行も早いのです。このことからも早期発見が重要なのです。

たとえば人間が1年に1回健康診断を受けるなら、ワンちゃんは年に4回の健康診断をする必要があります。

ワクチン接種のタイミングで十分と思っている飼い主さんも多いと思いますが、ぜひ「人間の1年は犬の4年」という事実を思い出してほしいと思います。

2-1.素人判断は危険な「様子を見る」こと

人間の場合だったら、「少ししこりがあるけれど、様子を見ましょう」、と4年間も放置する人はいないでしょう。

ワンちゃんの身体に今までと違った様子があって「様子を見る」ことはよくあることかもしれませんが、人間に置き換えると、4年間放置することと同じなのです。

これがいかに危険なことかはおわかりになると思います。素人判断での様子見は時には不幸な結末を招くことになりかねません。

2-2.飼い主さんは愛犬の老化を受け入れられない

飼い主さんは、ワンちゃんをいつまでも自分の子どものように思っていて愛犬が確実に老犬になっていることを受け入れられない傾向があります。

例えば、たまに顔を出す家族などがワンちゃんに対して「〇〇ちゃん、ちょっと歩きにくそうだね」「前みたいに遊ばなくなったね」という言葉を「そんなことはない、気のせいよ。〇〇ちゃんのことはわたしが一番よく知っているんだから」と否定していませんか。

人間には自分にとって不都合な事実を目の前にしても、それを打ち消したり、見なかったことにするという防衛反応があります。

これは誰にでもあることで、そのことがいけないわけではありません。ですが、思い込みが病気の早期発見を遅らせることもあると注意しておきましょう。

3.獣医さんに慣れていないと治療は大きな苦痛になる

ワンちゃんの性格によっては、人見知りで動物病院の近くを通るとうずくまって歩かなくなったり、白衣の人を見ると怖がる子もいます。

確かに知らない人に押さえつけられて痛い思いをするワクチン接種の嫌な思い出ばかりでは、病院嫌いになっても仕方がないと思います。

しかし、嫌がるからと言って動物病院に必要最低限しか行かなかった場合、いざという時に大変困ることになります。

まず、病気の早期発見は難しくなりますし、たとえ飼い主さんが気づいても、治療時のストレスはワンちゃんにとって耐え難いものとなります。

病状によっては手術や入院が必要な場合もありますが、精神的なショックやストレスは病気の回復に大きな影響を与えます。ワンちゃんや飼い主さん、病院スタッフにとっても不幸な状況です。


定期的に健康診断をするメリット

柴犬

犬にも健康診断が必要なことがおわかりいただけたと思います。

しかも、人間に比べて加齢速度の早いワンちゃんたちには年に1回では少なすぎます。季節ごとに定期健康診断を受けるのが理想的です。

定期的な健康診断の第一の目的は病気を早期に発見して早期治療につなげることです。

その上、定期的にワンちゃんを診察することで、血液検査やレントゲンなどのお金がかかる検査にも劣らない情報を得ることができます。

いつものワンちゃんの状態を共有できる

毎朝体重や血圧を計っている人は多いのではないでしょうか。鏡を見て、「今日はあまり顔色が良くないな」などと自然に判断しますね。それは、自分なりにいつもの状態を把握しているからです。

愛犬のいつもの状態は、もちろん飼い主さんがよくご存知ですが、獣医さんはワンちゃんの状態をさらに専門的な視点から見てくれています。

診察室に入ってくる時の足取り、臭い、表情など、いつもと違えば注意して診察します。診察台に乗ってからも、鼻の先から足の爪まで、体中の様子を観察します。

毎日一緒にいる飼い主さんが慣れから見逃している変化を専門家として気づくこともありますし、そのワンちゃんをずっと診ていれば、一般論では見逃してしまうような変化にも気がつくでしょう。

例えば、肥満気味だったワンちゃんが適正値以内の体重に減っていた場合、数値的には問題なくても「どうして痩せたの?」という会話が飼い主さんと始まりますね。

「減量用のフードに変えたら、喜んで食べてくれておかげ様で痩せました」という場合なら問題ありませんが、「この頃あまり食べなくて」ということならば原因を考えなければなりません。

いつもの状態を飼い主さんと獣医さんが共有することで、病気の早期発見やよりよい治療方針が判断できるのです。

ワンちゃんの動物病院に対するストレスが減る

たいていの動物病院では、診察後のご褒美にワンちゃんに「おやつ」を用意しています。

頑張ったご褒美に飼い主さんや動物病院のスタッフからたくさん褒めてもらって、おやつまで貰える経験を重ねると、どんな人見知りのワンちゃんも動物病院に行くことを嫌がらなくなります。

これは、いざという時にとてもありがたいことです。人間でも知らない人に囲まれて治療を受けるのは心細いものです。治療時のストレスは動物の場合、回復までの時間だけでなく、時には命にも関わります。

愛犬の健康診断が大切なことは分かっているけれど…。という飼い主さんに健康診断を定期的に受けていただくメリットについてお話してきました。

3大疾患だけでなく、熱中症や感染症など、はじめは「ちょっと元気がないかな?」程度から急激に悪化する怖い病気もあります。

飼い主さんもワンちゃんのことを日頃から気軽に相談でき、躊躇なく受診できる関係を獣医さんと築けていれば安心です。健康診断がそんな関係のきっかけになると良いですね。

猫は本来体臭の薄い動物です。いつもと違う口臭を感じたら病気を疑ったほうが良いかもしれません。

この記事では愛猫のお口の臭いが気になるときに、考えられる病気とその対処法を解説いたします。


いつもと違う口臭なら注意

猫は基本的に臭わない動物です。野生の猫の仲間はハンターですから、獲物に自分の存在を知られないようにするために体臭が少ないのです。

そんな猫ですから、基本的にあまり口臭を感じないはずです。毎日のスキンシップでいつもと違う口臭を感じたら注意したほうが良いかもしれません。

「猫の口は生臭い」とよく言われるのは、昔の猫は生の魚やネズミなどの生肉を食べていたせいです。キャットフードを食べている室内飼いの猫の口臭が生臭い場合は病気を疑ったほうが良いでしょう。

口臭が発生する原因としては、大きく口腔内の病気と全身疾患に分けられます。


口臭の原因となる代表的な口腔内の病気

実は猫には口の病気が多いのです。以下できつい口臭を引き起こす代表的な口腔内の病気を3つご紹介します。

1.歯周病(歯肉炎)

3歳以上の猫の8割は歯周病と言われています。

キャットフードなどのカスが歯に付着したまま、体調の変化などで唾液の量が減ったり、Ph値が変わると口腔内の細菌が増えて歯垢ができます。

その歯垢が歯石になると、歯石から歯肉や歯茎に細菌が入り、炎症(歯肉炎)を起こし、口臭の原因となるのです。

進行すると歯が抜けてしまうだけでなく、歯周病から体内に入った細菌が心臓病や腎臓病の原因になることも分かっています。歯周病になる前には口腔内の環境の悪化が必ずありますので、歯周病になる前に口臭に気づいてあげたいものですね。

歯周病になると、他にも

  • 歯茎が腫れる
  • 歯茎から出血したり膿が出る
  • 歯がグラグラして抜けてしまう
  • カリカリのフードを食べなくなる

などの症状が見られます。

2.口内炎(歯肉口内炎)

猫の口内炎は口腔内が広い範囲で腫れるので非常に痛がります。

人間の口内炎の外見とは異なりますので注意しましょう。口内炎の原因としては、栄養不足や以下で説明する全身の病気が挙げられます。

口臭以外の症状は以下のものがあります。

  • よだれが大量に出る
  • 食欲不振
  • 毛づくろいをしない
  • 口の中の腫れ
  • いつも口元を気にしている
3.吸収病巣

吸収病巣は、歯が歯肉に吸収されていく病気であり、歯に穴が空いたり、歯茎の肉芽組織が盛り上がって赤く見えたりします。原因不明の疾患ですが、進行すると歯がなくなってしまう場合もあります。

ひどい痛みを伴い、口臭以外にも食欲不振、よだれが増えるなどの症状があります。

お口の中を覗いてみてもさほどの汚れはないのに歯茎が赤く腫れている場合は吸収病巣かもしれません。


口臭の原因となる代表的な全身疾患

猫

猫の口臭は、歯周病の治療や口内炎の治療だけでは終わらない場合があります。

特に猫の口内炎の場合、全身性の病気が背後にあって、その一つの症状として口内炎がある場合が多いのです。なかなか治らない口内炎の場合は血液検査をして原因となっている病気を特定した方がよいでしょう。

以下で口臭を引き起こす代表的な全身性の病気を5つご紹介します。

1.猫エイズ(猫後天性免疫不全症候群)

猫エイズとは、猫免疫不全ウイルス(FIV)が原因で引き起こされる感染症のことです。

猫免疫不全ウイルス(FIV)は血液や唾液を介して感染されるウイルスで、感染後、無症状のキャリア期間を経たのち発症に至ります。

キャリア期間には個体差があり、10年以上も発症しないケースもありますが、発症してしまうといろいろな感染症にかかりやすくなり、口内炎は代表的な症状です。
他にも、

  • 食欲不振
  • 体重減少
  • 下痢
  • 嘔吐
  • 貧血

などの症状が現れます。

猫エイズかどうかは血液検査でわかります。口内炎が発症している場合は全身状態も悪化しているはずなので、獣医さんの指導に従って治療しましょう。

猫エイズ自体は完治はしませんが、ウイルスの活動が弱まれば寛解状態になります。

2.猫白血病

猫白血病は、猫白血病ウイルス(FeLV)が原因となる感染症で、発症するとウイルスが骨髄の造血細胞を侵すので、

  • 貧血
  • 体重減少
  • 発熱
  • 食欲不振
  • リンパの腫れ
  • 口内炎
  • 下痢

などが現れます。全身状態が非常に悪化しますので、すぐに病院に行きましょう。猫白血病も血液検査でわかります。

3.腎臓病

腎臓病が進むと、体内のアンモニアが処理しきれなくなって口臭が強くなる場合があります。

他にも、

  • 水をたくさん飲む
  • 尿が多い
  • 尿の色が薄い
  • 嘔吐

などの症状もあります。

歯周病の細菌が腎臓に達して腎臓病になることも分かっています。

4.糖尿病

糖尿病になると、血液中にケトン体という物質が多くなります。ケトン体は独特の臭気を持っているので、口臭がひどくなります。

その他にも、

  • 急激に痩せる
  • たくさん水を飲む
  • 尿がたくさん出る
  • お腹が膨れる

といった症状があります。

5.巨大結腸症

巨大結腸症は、結腸にたくさんの便が溜まって排便できない病気です。

便秘が長期に渡って続くと、腸の中で細菌が増殖してしまい、便臭を伴う口臭がするようになります。

猫は排便したいのでトイレに入って排便の姿勢をとりますが、力んだ瞬間に吐いてしまうこともあります。

口臭がきつくて、何日も排便していないようならこの病気を疑いましょう。排便があっても固くて少量しか出ていない場合も動物病院に相談しましょう。


口臭の原因となる病気を予防するための3つのポイント

以上のように、猫の口臭には様々な病気の可能性があります。これらの病気を予防するためのポイントを3つご紹介します。

1.毎日自宅でお口のケアをする

猫の口

口内環境の悪化による歯周病、口内炎を防ぐために最も大切なのが、自宅でのお口のケアです。

嫌なものは嫌、という猫でも子猫の頃からお口を触ることに慣れさせていれば仕方なくお口を見せてくれることもあります。

口を触られることに慣れたら、ぜひ毎日歯磨きをしてあげてください。

ストレスなくお口の点検や歯磨きができるグッズや、歯周病対策のフードやおやつもありますので、市販のグッズも活用してみると良いでしょう。

2.定期的に病院で健康診断を受ける

口腔内の健康管理にとどまらず、感染用を防ぐためのワクチン注射、難治性の慢性疾患の早期発見のためにも定期的な動物病院での健康診断は欠かせません。

犬と違って、猫は届け出もワクチン接種の義務もありません。それだけに、病院での受診をついためらってしまい、病気の発見が遅れて、不幸な結果になるケースも多いのです。

完全室内飼いでも感染症のリスクはゼロではありませんし、運動不足が慢性疾患の原因になる場合もありますよ。

3.少しでも口臭が気になったら動物病院を受診する

少しでも口臭が気になった場合には、できるだけ早い段階で病院を受診すると良いでしょう。

病院を嫌がる子も多く、飼い主さんも受診のたびに大変苦労することはよくわかりますが、猫は犬以上に病気の初期症状がわかりにくい動物です。

ぜひ重大な症状が現れる前に病院を受診して、トラブルを未然に防ぎましょう。

口臭が気になって受診した結果、重大な病気が見つからなかったとしても、きっと動物病院のスタッフに日頃の口腔ケアについてアドバイスが受けられますよ。


毎日のケアと動物病院の受診が大切

以上、猫の口臭の原因となる病気とその対処法について解説しました。

愛猫といつまでも楽しく暮らすためにも、毎日のケアと定期的な健康診断を心がけ、少しでも口の臭いに違和感を感じたら「たかが口臭」と軽く考えずにすぐに動物病院に相談することをおすすめします。

犬 暑さ対策

犬は人間と違って服を着ていないし、舌を出すことで体温調節しているから暑さ対策は必要ない…と思っている飼い主さんは意外といるのではないでしょうか。

しかし実際は犬だからこそ、猛暑の夏にはしかるべき対処を行って熱中症のリスクを低減することが大切です。

犬は人間と違って体調不良を言葉で訴えることはできないので、飼い主がしっかり暑さ対策を行い、犬が毎日快適に過ごせる環境を整えるようにしましょう。


夏は必須!犬の暑さ対策5選

人間の場合、熱中症のリスクは梅雨明けあたりから急激に上昇します。

一方、犬の場合は5月の上旬、ゴールデンウイークあたりから熱中症にかかりはじめると言われています。

人間に合わせて、梅雨明け頃から暑さ対策を始めると熱中症になる確率が高くなるので、早め早めの対策を取り入れるよう心がけましょう。

対策1.散歩は早朝または夕方以降に済ませる

犬の散歩は基本的に毎日行うものですが、暑い時期は散歩をする時間帯に注意が必要です。

夏期は午前10時頃からぐんぐん気温が上昇しはじめ、お昼あたりをピークに、夕方16時頃まで気温が高い状態が続きます。

この6時間のあいだに散歩に行くと、人間はもちろん、犬だって熱中症の危険性が高くなります。

特に注意したいのがアスファルトの上を歩く時。アスファルトは熱を蓄える性質を持っているため、夏場は表面温度が50℃以上に達することもあります。

犬は人間に比べて地面に近い位置にいるのでアスファルトの熱の影響を受けやすいのです。そのことから、熱中症になるリスクはかなり高いと言えます。

犬の散歩の時間帯は人間のライフサイクルに合わせていることが多いので、大幅に変えるのは難しい場合もあるでしょう。ですが、できれば夏場の散歩は午前9時頃までに済ませるか、あるいは17時以降に行うとよいでしょう。

どうしても日中に散歩しなければいけない場合はアスファルトを避け、土や草地の上を歩いたり、日陰の多い場所を選んだりして散歩させるのがベストです。

対策2.留守番させるときは室内の温度に気をつける

エアコン

室内で犬を飼っている場合、飼い主が出かけるとなると当然家の中で留守番させることになります。

防犯の関係上、窓を開けることはできず、閉めきった状態での留守番となりますが、夏場の室温は非常に高くなりやすく、たとえ室内にいても熱中症になる危険性は大。

実際、ペットの犬が熱中症になるケースは屋外よりも室内や車内にいた時の方が多いそうです。

とはいえ、仕事などの関係で犬を留守番させなければならない人も多いでしょう。

そういう時はエアコンをかけた上で、カーテンを閉めて直射日光が入らないようにしていきましょう。

ただ、人間が涼しいと感じる温度だと、犬にとっては冷えすぎる可能性があります。「少し暑いかな?」と感じる程度で十分なので、低温に設定しすぎないようにしましょう。

また、うっかり犬がスイッチを押してエアコンを切ってしまうことがないよう、手の届かない場所にリモコンを置いておくことも大事です。

なお、最近のエアコンには当たり前のように省エネモードが搭載されていますが、人感センサー搭載の機種には要注意。

本来であれば人間がいるかどうかを感知してスイッチを自動でON/OFFに切り替えてくれる便利な機能なのですが、機種によっては犬を感知してくれず、勝手に電源が切れてしまうものもあります。

実際、人感センサーが反応してくれず、帰宅してみたら犬が熱中症で倒れていた…という事例も報告されていますので、人感センサー付きのエアコンを使って犬に留守番させる場合はセンサーをオフにして、手動でエアコンを付けるようにしましょう。

対策3.こまめに水分補給させる

人間同様、犬の暑さ対策には水分補給が欠かせません。こまめに水分補給させ、脱水症状にならないよう注意しましょう。

また、水は常に新鮮な状態をキープするのが大切。特に夏場は雑菌が繁殖しやすいため、長時間水を放置していると不衛生な状態になってしまいます。

水は大きめの容器にたっぷり用意して、午後になったら水の残量にかかわらず新しいものに取り替えるようにしましょう。

対策4.涼を取れる場所を用意する

犬は気温が高くなると、木陰の下や水辺、日陰の地面など自然と涼しい場所に移動する傾向にあります。

ただ、屋外で飼われている犬は鎖でつながれているので、移動できる範囲が限られてきます。

その中に涼を取れる場所がないと犬は逃げ場がなくなってしまい、熱中症になる危険性が高くなります。

犬小屋なら直射日光は防げますが、熱がこもりやすいので、簡易的な屋根を屋外に設置するなど、日陰を作ってあげるとよいでしょう。

室内犬の場合はペット用の冷却シートなどを敷いてあげると暑い夏場の「避難所」として活用できます。

なお、手っ取り早く人間用のアイスノンを使う人がいますが、犬が噛みちぎってしまう可能性があるのでNG。

アイスノンにはエチレングリコールという毒性がある成分が含まれているものがあります。このようなアイスノンを噛みちぎってしまうと、毒を経口摂取すると中毒を起こすおそれがあります。

食べた直後は特に症状が現れないので油断しがちですが、しばらくすると嘔吐や下痢、多飲多尿、ふらつきといった中毒症状が出現。

さらに悪化するとけいれんや血尿、気絶といった症状が出始め、ひどい場合は腎不全を起こし、死亡率が高くなると言われています。

エチレングリコールはワインの甘み成分として混入されていたこともあるほど甘味が強いので、犬が保冷剤を噛みちぎって中身を出してしまった場合、なめたり食べたりしてしまう可能性があります。

アイスノンや保冷剤の外袋は意外にもろく、小型犬の歯でも簡単に穴があいてしまうので、アイスノンを使うのなら必ずペット専用のものを用意しましょう。

対策5.トリミングはほどほどに

トリミング

犬の毛は人間から見るととても暑苦しく、短くカットしたら涼しくなるのでは?と思ってしまいがちです。

たとえば見た目がかわいいと話題のサマーカットはその最たる例で、地肌が見えるほど毛が短くカットされています。

確かに見た目は涼しげですが、もともと犬の毛は地肌を守るために存在するものなので、あまりに短くカットすると直射日光から体を守れなくなってしまいます。

また、犬の毛には断熱材のようなはたらきがあるため、サマーカットにすると地肌に熱が伝わりやすくなってしまうという欠点も。

ほどほどにトリミングするなら問題ありませんが、「見た目が暑そうだから」という安易な考えで地肌が見えるほど短くカットしてしまうのはやめましょう。


犬の暑さ対策は早めに始めよう

近年は地球温暖化の影響により、酷暑となる年が増えてきました。

人間はもちろんですが、犬も猛暑にさらされれば命の危険性があります。

特に犬は人間より暑さを感じやすい傾向にあります。そのため、人間が暑さを感じ始めるより前にしっかりとした対策を講じるようにしましょう。

猫

「猫はこたつで丸くなる」という有名な歌詞があるように、猫はとにかく寒さに弱いというイメージが強いですよね。

しかし「そのぶん、暑い夏は元気で問題なし」というわけでは当然ありません。

夏に猫ちゃんの不調が起こるケースも多々あるのです。そんなときに、まず疑うべき病気として挙げられるものは以下の4つ。

  • 1.アレルギー性皮膚炎
  • 2.外耳炎
  • 3.食中毒
  • 4.熱中症

では、それぞれの病気について、予防法や対処法とともに説明していきます。


1.アレルギー性皮膚炎(体をかゆがる・抜け毛・皮膚の赤みなど)
  • 体をかゆがることがやたら増えた
  • 毛が抜ける
  • 皮膚に赤みやただれなどの異常が発生する
  • くしゃみの回数が多くなる
  • 鼻水が出ている

などといった症状が出ている場合は、アレルギー性皮膚炎を起こしている可能性があります。

猫のアレルギー性皮膚炎には、アトピー性のもの、食事が原因となるものなどもあります。しかし、夏場にぐっとリスクが高くなるのは「ダニ・ノミ・蚊などが原因のアレルギー」です。

ダニ・ノミ・蚊は、そのいずれも高温多湿の夏場に大繁殖します。そのため冬場に比べると、これらによるアレルギー性皮膚炎のリスクが格段に高くなってしまうのです。

リスクを減らす方法としてはまず、フロントラインなどのダニ・ノミ駆除剤を使うことをおすすめします。とくにダニ除けとしては、この方法がきわめて効果的です。

ほかにも、

  • 部屋を掃除する、除湿するなどしてダニの繁殖リスクを減らす
  • 虫除けの首輪やペット用蚊取り線香など使う

といった方法を併用するのがおすすめです。


2.外耳炎(耳垢・耳の赤みや膿・耳をかくなど)

猫 耳

  • 耳が臭い
  • 耳垢が目立つ
  • 耳が赤く皮膚がゴワゴワした厚みのある感触になっている
  • 耳に膿がある
  • 後ろ足で耳をかく仕草がやたら多い
  • 頭をブンブン振る仕草が多い

などといった症状が出ている場合は、外耳炎になっている可能性が高いです。

夏場に外耳炎が多くなる理由は、高温多湿の環境下で耳も蒸れやすくなってしまうからです。蒸れた耳に雑菌・細菌が繁殖し、それが原因で炎症を起こしてしまいます。

とくに、スコティッシュフォールドのような折れ耳タイプの猫ちゃんは耳が蒸れやすい状態となっているため、外耳炎のリスクも高くなります。

予防・早期発見のためには、やはりこまめな耳のチェック&耳掃除が大切。週に1回は耳の状態を目視でチェックし、さらに月に1~2回、ペット用のイヤークリーナーを使って耳掃除をすることをおすすめします。

耳掃除を嫌がる猫ちゃんも多いですが、そんな場合は、猫ちゃんが寝ている隙ををみて、毎日少しずつ耳掃除をするといいですよ。


3.食中毒(嘔吐や下痢など)

嘔吐や下痢などの症状をともなう食中毒も、夏場に多く発生する病気です。

まず、当然ですが缶詰やレトルトなどのウェットフードについては「食べ残したぶんを、また食べるまでそのまま置いておく」ことは厳禁です。食べ残しはすぐ冷蔵庫で保存し、なおかつ冷蔵保存したぶんもできるだけ当日中に与えるようにしましょう。

また「ドライフードなら安心」と、食べ残しを長時間置きっぱなしにするケースは少なくありませんが、これも危険です。たとえドライフードであっても、猫ちゃんが一度口をつけたところからどうしても雑菌繁殖は起こりやすくなってしまうものなのです。


4.熱中症(耳が熱を持っている・反応が鈍い・呼吸が荒いなど)

猫ちゃんは人や犬と比べると暑さに強いと言われていますが、油断は禁物です。

熱中症の要因には温度だけでなく湿度も関係しています。高温なだけでなく湿度も高い日本の夏では、猫ちゃんも熱中症になってしまうことが少なくないのです。

涼しい場所に行きたがる、耳が少し熱を持っているといった症状があったら要注意。

猫ちゃんにこうした様子が見られたら、

  • すぐに涼しい場所に移動させる
  • エアコンの温度設定を下げてさらに扇風機をかける
  • 水道水で濡らしたタオルで覆い、ぬるくなったらすぐにタオルを交換する
  • 保冷剤を使う

などといった対処をして体温を下げてあげましょう。

さらに、以下のような症状が出たら危険信号です。

  • 呼びかけに対する反応が鈍い
  • 口を開けてハアハアと呼吸が荒い
  • よだれをダラダラ垂らす

保冷材や冷たい濡れタオルを使った応急処置を速やかに行った上で、すぐに獣医さんに診てもらうようにしましょう。

とくに下記のようなケースは熱中症のリスクが高めになるので、より注意して見てあげてください。

  • 肥満傾向の猫ちゃん
  • 体力が落ちてくる8歳以上の年齢の猫ちゃん
  • 水をあまり飲まない猫ちゃん

熱中症の予防法としては、エアコンの使用はもちろんのこと、クールマットや遮光カーテンなども併用する方法がおすすめです。

また、猫を水分不足にさせないことも大切です。

  • 猫が好む給水ポイントをはじめ、複数の箇所で給水ができるようにしておく
  • 水にほんの少し肉のゆで汁などを入れて、好んで飲むように促す
  • ウエットフードに切り替えて、食事での水分量を多くする

などといった工夫もしておきましょう。

ふやかしたドライフードをあげていると、歯周病の原因になりますので、注意しましょう。


「猫は不調を隠す動物である」ことを理解しておこう!

猫

さて、ここまで夏に猫の具合が悪くなった際に、疑うべき病気の代表格を4つ挙げてきました。

しかし、当然のことながらここで挙げた以外の病気にもかかる可能性はあります。「この4つの病気さえ気をつけていればOK」というわけではありません。

さまざまな病気を早期発見するために日ごろから心がけておきたいポイントは、「猫ちゃんの普段の仕草や態度などをよく観察しておく」ことです。

なぜなら、猫ちゃんは不調を隠そうとする傾向が強い動物だからです。

猫ちゃんが隠そうとするぶん、飼い主さん側でしっかりと観察しておかないとちょっとした不調のサインに気づくことができません。すると病気の発見が遅れてしまうリスクが非常に高くなります。

主な不調のサインとしては、以下のようなものが挙げられます。

  • いつもと鳴き声が違う
  • 撫でてもいないのにゴロゴロと喉を鳴らすことが多い
  • いつもは行かないような狭い場所や暗い場所などに隠れようとする
  • 便秘や下痢など、いつもと違う排泄異常がある
  • 食欲が減った
  • 体重が減った
  • 毛玉を吐き出すときとは違うタイプの嘔吐をすることがある
  • 寝ているときの呼吸音がいつもと違う
  • 以前より日中に寝ている時間が長くなった

このようなちょっとしたことが病気のサインになっていることは少なくありません。

もちろん、これ以外にも「何かが今までと違う」と感じることがあれば、念のために動物病院を受診することをおすすめします。


猫ちゃんの異変に気づいたら当院へご相談ください

今回ご紹介したとおり、夏場の猫ちゃんに不調があった場合、とくに疑うべき病気としてはアレルギー性皮膚炎・外耳炎・食中毒・熱中症の4つが挙げられます。

猫ちゃんは不調を隠そうとする動物です。あらゆる病気の早期発見を実現するために、日頃から猫ちゃんの様子をよく観察しましょう。

「いつもとは何かが違う」という違和感に気づいたら、お気軽に当院へご相談ください。

エリザベスカラー チワワ

大切なワンちゃんやネコちゃんの具合がよくない、または避妊や去勢手術を受けさせたい…。

そんなときに診察や治療を任せたいと思うのは、やはり動物や飼い主さんの気持ちに寄りそった取り組みができる、信頼感のある病院ですよね。

当院「アニーマどうぶつ病院」は、ワンちゃん・ネコちゃんを対象に、皮膚科・歯科処置や避妊去勢手術をはじめとするさまざまな分野に対応。

痛みとストレスが少ない獣医療を心がけているため、安心してワンちゃん・ネコちゃんを預けていただくことができます。

今回はそんな当院の取り組みをご紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。


当院の魅力!動物たちの痛みやストレスを軽減させる取り組み

当院では、手術中・手術後の痛みを和らげる取り組みを行っています。また治療にあたるスタッフは白衣を着用せず、ワンちゃんやネコちゃんにできるかぎり不快な思いをさせないように心配りしています。

手術中、手術後の痛みをやわらげるために麻酔にも配慮

飼い主さんにとって、愛する我が子ともいえるワンちゃんやネコちゃんが苦しむ様子を見ることは、とてもつらいものですよね。当院では、ワンちゃんやネコちゃんの痛みを和らげるよう、できるかぎりのことをさせていただきます。

たとえば、本能で痛みを我慢してしまうワンちゃんやネコちゃんの性質を理解したうえで手術を行う当院では「動物だから要らないだろう」という判断で痛み止めを省略することはもちろんありません。

手術中はもちろん、手術後に目がさめたときも痛みを感じないように、全身の痛み止めと局所麻酔を合わせて使うようにしております。

また、最初にワンちゃんやネコちゃんが受けることが多い避妊や去勢の手術にはどうしても麻酔が必要になります。そのため、避妊・去勢のメリットを理解し手術を受けさせたいと考えてはいても、麻酔のリスクが心配という飼い主さんも少なくないのではないでしょうか。

当院では、飼い主さんを不安にさせる麻酔のリスクを最小限に抑えるための取り組みも行っており、全身麻酔をかける前には必ず術前検査を実施。その際の状態を考慮して、それぞれの子に適したお薬を選ぶようにしています。

温かみのある内装・白衣を着用しないことでストレスを軽減

当院では、診察に来てくれたワンちゃんやネコちゃんが「怖い!」「痛いことをされる所だ!」と嫌な思いをしてしまわないよう、さまざまな工夫を凝らしています。

たとえば、ブラウン、オレンジといった温かみのある色を使った、カフェをイメージさせる内装がその一例です。また、待合室には体重計が置いてありますので、診察の日はもちろん、お散歩のついでに立ち寄りご自由に使っていただくことができます。

動物も人間と同じように、白衣を着ている人を見ると不安がることがあるため、当院では白衣を着用しておりません。

「いかにも病院」といったような印象を取り払うことで、ワンちゃんやネコちゃんだけでなく、飼い主さんにとっても気軽に立ち寄りやすい雰囲気をつくるよう意識しています。


手術に使用する器具や衛生面へのこだわり

歯茎 ミニチュアダックスフンド

その他、当院で行う治療において重視している

  • 手術で使用する最高級の縫合糸
  • 衛生的な使い捨ての気管チューブ
  • 滅菌された歯科器具の使用

についてご説明します。

手術では、体に吸収される縫合糸を使い異物反応のリスクを抑える

手術で使われる縫合糸は、実はどの病院も同じというわけではありません。当院で使用する糸は、動物の体に溶けて吸収される最高級のものを使用しております。

もし体に吸収されない縫合糸を使用してしまった場合、異物反応を起こしてしまうリスクも。当院では、ワンちゃんやネコちゃんが不必要なことで苦しんでしまわないよう、縫合糸にもこだわっています。

気管チューブなどは使い捨て、歯科器具はすべて滅菌で衛生的

飼い主さんにとって、特に気になる衛生面。十分な配慮がされていないと、感染症のリスクが高まってしまいます。大切なワンちゃんやネコちゃんの手術ですから、「衛生面にしっかり気を配っている病院でないと」とお考えになるのは当然のこと。

当院では、全身麻酔をかけて行う処置の際、

  • 気道を確保するために使用する気管チューブ
  • 手術で使う針
  • 縫合糸
  • 体を覆うドレープ

を使いきりで使用しているため衛生的です。

また、当院で使用する歯科器具はすべて滅菌されており、感染症対策には力を入れて取り組んでおりますのでご安心ください。


飼い主さんの意向や動物に合わせたオーダーメイド治療

ミニチュアダックスフンド

当院では、飼い主さんの意向や、それぞれのワンちゃん、ネコちゃんに合わせたオーダーメイド治療を行っています。

人間も同じことですが、病気に対して取れる方法は、必ずしも一つに限られているわけではありません。

たとえば同じ病気に使えるお薬が何種類もある場合、副作用の可能性はそれぞれの薬で異なります。どの子にも問題なく使えるということは無いのです。

そのため、それぞれのワンちゃんやネコちゃんに最適なお薬や治療法をご案内しています。

また、飼い主さんへは、治療のメリット・デメリット、費用のことも含めていくつかの方法を示しながらお話させていただき、ご希望を尊重した治療を進められるよう心がけております。


動物たちや飼い主さんに寄りそう病院であるために

飼い主さんが把握しているワンちゃんやネコちゃんの性格や心配なことは、治療のヒントになる可能性があります。

大切な家族の一員のためにも「こんなことを聞いたら迷惑かな…」などと思わず、ささいなことでも遠慮なくお話しくださいね。

年間55,000人が死亡している狂犬病。1950年以降、国内の感染事例はありませんが、海外で感染後、帰国して発症した事例はあります。

そして、発症した場合の致死率は100%です。恐ろしい狂犬病の症状や感染経路などを詳しく解説します。


年間55,000人の死者が出る狂犬病

野犬

狂犬病ウィルスによる感染症で、犬や人も含め全ての哺乳類に感染します。過去の国内感染例では圧倒的に犬が多いですが、地域によってはコウモリやキツネが感染源になります。

感染した動物に噛まれる、舐められる、引っかかれることで傷口から唾液などを通じてウィルスが侵入し、筋肉や神経に増殖します。

ごくまれにウィルス濃度が濃い場合、気道粘膜で感染した事例もありますが、最終的には脳に移行し、死に至るのです。

WHOの統計では年間55,000人が狂犬病で死亡、そのうち3万人以上がアジア地域で発生しています。

日本や英国、北欧のスカンディナヴィア半島やオーストラリア、ニュージーランドやハワイ諸島などでは狂犬病感染のリスクはほとんどありません。しかし、他の地域は感染事例が多いため、動物との接触はなるべく避けたほうがいいでしょう。

主な感染源はイヌやコウモリ

地域によって異なりますが、感染源となる動物は次のとおりです。

地域 感染源となる動物
アジア・アフリカ イヌ・ネコ
ヨーロッパ・北米 コウモリ・キツネ・スカンク・アライグマ・イヌ・ネコ
中南米 イヌ・コウモリ・マングース・ネコ

犬と人が発症した場合、症状は異なる

ここでは犬と人の場合の症状について解説します。

犬の場合は「狂躁型」「麻痺型」の2種類がある

前駆期を経て狂躁(きょうそう)型と麻痺(まひ)型に分かれますが、80〜85%は狂躁型です。

前駆期
  • やたらと不安がる
  • 食事をしない
  • 暗い場所を好む
  • 人間を避けはじめる
狂躁型 2〜4日間続く症状

  • 遠吠えをする
  • ふらふらと歩き回る
  • 攻撃的で見境なく噛み付く
  • 水を怖がり飲まなくなる
  • 顔つきや表情が凶暴化する
  • 吐く

その後昏睡や嚥下(えんげ)困難が起こり、1〜2日で死亡

麻痺型
  • 下アゴに力が入らず、常に舌が出ている
  • ヨダレが大量に出る
  • 足腰が弱くなり、ヨタヨタ歩く
  • 平衡感覚がなくなる
  • 昏睡状態になり死亡
人の場合は呼吸障害や不整脈を経て死亡

最初は頭痛・のどの痛み、食欲不振・嘔吐、高熱など風邪の症状とよく似ています。

しかし、1週間ほどすると、強い不安感や錯乱、首周辺の筋肉のけいれん、水を飲まない・水が怖くて手も洗えない「恐水症状」や、エアコンの風にあたるのも嫌がる「恐風症状」などの症状がでてきます。更に病状が進むと、呼吸障害や不整脈を経て死亡します。

実際の感染事例

平成18年(2006年)、フィリピンから帰国した60代男性が狂犬病で死亡しました。

8月頃 フィリピン滞在中、犬に手を噛まれるがワクチンは摂取せず
10月22日 帰国
11月15日 風邪のような症状と右肩の痛み
11月19日 病院を受診し、点滴と血液検査を受け帰宅。夕方に薬を服用するが、飲水困難に。夜には呼吸困難となる
11月20日 再度病院を受診。興奮状態で恐風・恐水症状がみられたため、狂犬病の疑いがあると診断。別の病院へ転院
11月22日 人工呼吸器を装着
12月7日 死亡

国立感染症研究所でこの男性の唾液から病原体遺伝子の検出を試みたところ、狂犬病ウィルス遺伝子が確認できました。

発症後の致死率はほぼ100%!

狂犬病の一般的な潜伏期間は1〜3ヶ月ですが、長い場合は1〜2年後に発症した事例もあります。発症前に感染の有無が診断できない上に、発症した場合はほぼ100%の確率で死亡します。

唯一の対処法はワクチン接種

発症したらほぼ助からない狂犬病ですが、発症前にワクチンを連続して摂取することで発症を防げます。

動物に噛まれるなど狂犬病感染の疑いがあるときは、できるだけ早く医療機関の診療を受け、すぐに定期的なワクチンの皮下接種を受けてください。抗狂犬病ガンマグロブリン投与との併用がより効果的ですが、利用可能な地域が限定されていますので、現在日本での入手は困難になっています。

ワクチンは最初の接種日から3日目・7日目・14日目・30日目・90日目の計6回摂取する必要があります。

接触した動物が特定でき、予後観察が可能で接触後2週間以上その動物が発症しなかった場合は、接触した時点で狂犬病感染の可能性がなくなるためワクチンの連続摂取は不要です。

発症後生還できたレアなケース

2004年アメリカで、15歳女性がコウモリに噛まれ1ヶ月後に発症しましたが、ミルウォーキー・プロトコルという治療法でワクチン接種をせず生還した事例があります。

ケタミンやミダゾラムといった麻酔薬を使い、脳の活動を一時的に抑え、狂犬病ウィルスに対する抗体ができるのを待つ方法ですが、まだ数名しか生存例がないため、治療法としては不確かです。


海外で動物と接触が予測されるときは予防接種が有効

狂犬病 予防接種

現在、国内で動物と接触したことによる狂犬病の感染リスクはありません。

しかし海外ではなるべく動物と接触しないほうが身のためでしょう。どうしても接触したい、接触せざるを得ない場合は、ワクチンの予防接種をおすすめします。

4週間ごとに2回皮下注射を接種し、6〜12ヶ月後に追加接種が必要です。ここで重要なのは、予防接種を受けていても現地で感染の疑いがある動物と接触した場合は、暴露後ワクチンを打つ必要があります。

予防接種したから大丈夫ではないので、気をつけてくださいね。

感染したと思ったら早急に医療機関にかかりましょう

動物に噛まれたりした時は、すぐに石鹸と水でかまれたところを洗い流します。できるだけ早く医療機関での診察を受けましょう。

人から人へ感染は基本的に無い

感染症で気になるのは人同士の感染ですよね。狂犬病の場合、一般的に人から人への感染リスクは基本的にありません。しかし、角膜や肺などの臓器移植で感染した事例はあります。


大切な家族を失わない為にも予防接種は必須

日本では「狂犬病予防法」に基づき、生後3ヶ月以上の犬の所有者はその犬を所有してから30日以内に登録・鑑札の交付を受けなくてはなりません。

年1回の狂犬病の予防接種を受け、注射済票の交付を受ける必要もあります。

鑑札と注射済票は必ず犬に付けることは、犬を飼う人の義務です。違反者は20万円以下の罰金が課され、犬は捕獲・抑留対象になります。

最近は、海外からやって来る動物も増えているので、国内にいても狂犬病感染のリスクが0%ではありません。接種後、感染動物との接触の疑いがあるときは、人間と同様、ワクチンの再接種で発症を防げます。

万が一狂犬病を発症してしまった犬は、ワクチンの再接種と症状による苦しみから解放してあげるには安楽死を選択するしかありません。予防を怠ったために大切な家族を失うことがないように、ワクチン接種は必ず行ってくださいね。

狂犬病は発症したらほぼ100%の確率で死に至る恐ろしい感染症です。しかし、ワクチンの接種で人も犬も発症を防げますから、感染の疑いがある場合はすぐに医療機関で診療を受けましょう。

私たちは普段何気なく過ごしている生活環境でも、ペットにとってはたくさんの危険が潜んでいます。

今回は、日々の生活で起こりがちなペットのヒヤリ・ハット事例と共に、大切なペットが大怪我をしないために注意すべき5つのポイントをご紹介したいと思います。


小さなお子様がいるご家庭は特に注意!誤飲と中毒

食事を狙う犬

ペットのヒヤリ・ハット事例で最も多いのが誤飲や中毒です。

その中でもありがちなのが、食事中にうっかり落としてしまった食べこぼしをペットが一瞬のうちに食べてしまうといったケース。

小さなお子様がいるご家庭は特に注意すべき事例です。

人間用に処方された錠剤の薬、食べ物の匂いのついたラップ、噛んで壊れたおもちゃの破片などの誤飲も多く、ワンちゃんやネコちゃんの場合、ネギ類やキシリトール、レーズン、アボカドなどは中毒を発症し、最悪死に至る場合すらあります。

ポイント1.食事中はゲージに入れ、収納・片付けを徹底する

特にお子様の場合、食べこぼしは注意してもすぐに防げるものではありません。そのため、人間の食事中、ペットにはゲージに入っていてもらうよう習慣づけておくと安心でしょう。

また、誤飲は一瞬のうちに起こることも多いため、とにかく予防しておくことが肝心です。観葉植物は高い位置に置く、匂いのついたゴミは屋外のゴミ箱に捨てる、扉つきの壁面収納を利用するなど、とにかくペットが口に入れてしまいそうなものは、先回りをして手の届かないところに片付けるようにしましょう。


心地よいソファや抱っこが命とりに!落下・転落

階段や玄関などは、事故防止のペットゲートを設置している方も多いでしょう。

しかし、意外と見落としてしまいがちなのが、ソファや抱っこといった本来心地よいはずのものからの落下・転落で、誤飲に次いでペットの事故に多くみられます。

いつもなら問題なく昇り降りができるソファでも、下に物が置いてあると降りる際に体勢を崩して脱臼してしまいますし、抱っこをしている時に何かに驚き落下して骨折してしまうことも少なくありません。

ポイント2.スロープの活用や安定感のある抱っこを

誤飲や怪我などの可能性を考え、普段から床の下に物を置かないようにすることが第一。加えて、ペットが上っても良いソファやベッドなどの下にはマットを敷いたり、必要に応じてペット用のスロープなどを活用するのもおすすめです。

また、ペットを抱っこする際は、できるだけ体を密着させ、力を入れて抱いたり、前脚や後脚を手で支えたりなど、ペットのサイズに応じ、安定感のある姿勢で抱っこをしましょう。立ち話の間に抱っこをする時などもペットの様子に十分注意してください。


ペットだけが大怪我をすることも!油断しがちな車内

車内 犬

自動車の運転時にシートベルトを着用することは義務であり、もはや常識となっていますが、ペットに関しては車内で解放している場合を多く見かけます。

実際に、ワンちゃんが車の窓から顔を出している光景は珍しくありません。

しかし、急ブレーキや急カーブ、衝突した際など、シートベルトをしている人間はある程度安全ですが、シートベルトをしていないペットはフロントガラスに衝突したり、車外へ投げ出されて大怪我をする危険があります。

また、ハンドル操作や視界の妨げになることもあるため、ペットを車内で解放するのは人とペット両方にとって非常に危険なことなのです。

ポイント3.ペット用のシートベルトやキャリーを使う

最近ではペット用のシートベルトや、シートベルトで固定できるリードのついたペット用ボックスやキャリーも発売されています。これら移動用のグッズを使用して、ペットを車内で解放することはやめましょう。

ペットが窮屈そうで可哀想に感じる方もいると思いますが、運転中の車内は不安定なため、ペットは常にバランスをとって体勢を整える必要があり、かえってストレスになることもあるのです。車内に安定感のある場所を作り、安全運転を心掛けましょう。


危険なのは自動車だけじゃない!散歩中の衝突事故

主にワンちゃんになりますが、ペットが屋外で怪我をする場合に最も多いのは散歩中の事故によるものだと言われています。

散歩をしていて自動車に注意するのは当たり前ですが、車の通りがない遊歩道や大きな公園などで油断しがちなのが、自転車やキックボードの存在です。

自転車ブームの影響もあって最近ではロードバイクのように速度の出る自転車に乗る人も増えてきました。自転車に乗る人にとって、人の姿は遠くから確認できても、ペットの存在には直前にならないと気づかないことが多くあります。特に夜間では、不意にペットが方向転換をして自転車と衝突するケースもありあます。

ポイント4.目立つお散歩アイテムで存在をアピール

ペットとのお散歩の際は、とにかく存在に気づいてもらえるようアピールすることを意識してみましょう。

夜間の散歩であればLEDライトや反射材が付いた光るタイプのリードやハーネスを使用したり、昼間でも暗い毛色のワンちゃんなどは明るい色のお洋服を着せてあげたりすると良いでしょう。

また、女性や高齢の方などでリードを手から離してしまった経験のある方や、ワンちゃんの引っ張る力が強い場合は、カラーとハーネスそれぞれに1本ずつリードを付けるダブルリードもおすすめです。


保健所の保護期間は10日程度!災害時にも多い迷子

迷子札

「来客時、玄関を開けて挨拶をしている間に飼い猫が逃げてしまった」「散歩中にリードを離してしまい飼い犬が走っていってしまった」「窓が開いていることに気づかず放鳥タイムにインコが逃げてしまった」といったペットの迷子。

数日後、怪我をして弱った状態で見つかったペットを連れて来院される方もいます。

また、東日本大震災では多くのペットが飼い主とはぐれて迷子になり、ストレスにより衰弱してしまうといった事例も多くみられました。

一般的に、保健所では動物を10日程度保護すると言われています。まずはペットを迷子にさせないことが一番ですが、迷子になった際には、いち早くペットを見つけ出すことが大切なのです。

ポイント5.早急な発見のために迷子札やGPSを身につける

ペットの迷子対策として最も手軽なのは、カラーやハーネスに迷子札を付けることです。最近では手頃な値段で、GPS付きのカラーなどが販売されています。

インコなどの場合は、放鳥タイム用のオムツ、フライトスーツに迷子札を付けておく方法も良いでしょう。

また、少しずつではありますが、ワンちゃんやネコちゃん、ハムスターなどのペットにマイクロチップと呼ばれる電子タグを体内に埋め込む方も増加傾向にあるようです。このマイクロチップは、半永久的に使用することができ、専用の機械をかざすとあらかじめ登録された飼い主の連絡先などを知ることができます。


今回ご紹介した事例は全て、日常生活で起こりうることばかりです。

「ヒヤリ・ハット」という言葉同様、交通安全に関連する言葉で「かもしれない運転」というものがありますが、ペットとの生活においても「かもしれない」の視点を持って事前に対策を練ることが大切です。

しかし、それでも事故が起こってしまった場合には、まずは病院を受診し、事故の状況などわかる範囲で詳細に情報を医師に伝えましょう。

ここ数年は猛暑が続いており熱中症で倒れる人も多いですが、犬は人間よりも暑さに弱いためより注意が必要です。

犬種や持病・年齢などによって熱中症リスクは変わりますが、いずれにしても環境整備や水分摂取を意識的に行うことで予防できます。

今回は、愛犬を熱中症から守るための室内環境づくりのポイントに加え、実際に熱中症になった場合の症状や対処法などもご紹介します。


1.外気との差は5℃前後・湿度は60%以下に保つ

犬 扇風機

室内での熱中症予防に最も効果的なのは、エアコンです。外気との差を5℃前後に設定すると体に負担がかからず理想的。猛暑日などは設定温度を28℃くらいにしましょう。エアコンの運転モードは、除湿か弱冷房、またはドライにしてください。

また、日中でもレースカーテンは閉めて、直射日光が入るのを防ぎましょう。エアコンの冷気は下に溜まりやすいので、サーキュレーターなどで空気を循環させる方法がおすすめです。ワンちゃんに直接冷気が当たらないように気をつけましょう。

湿度の管理も大切!高齢や病気の場合は50%に

熱中症対策には気温だけではなく、湿度にも気を配ることが大切です。気温が低めでも湿度が高いときは、熱中症のリスクも高くなります。室内の湿度は常に60%以下に保つようにしましょう。

高齢や病気の犬の場合は体力があまりないため、室内温度は23〜25℃・湿度は50%に保つと理想的です。

扇風機は冷気の循環に使用しましょう

犬は汗をかかないので、扇風機だけで熱中症対策をすることは難しいです。窓を開けているときに空気の流れをよくしたり、エアコンの冷気を室内に循環するために使用しましょう。


2.日光浴にも注意!カーテン越しでも夏の日差しは強い

室内の温度・湿度にきちんと気を配っていても、まだ油断はできません。

犬は日光浴が好きな場合がほとんど。夏の日差しは強く、カーテン越しでも陽の当たる場所で寝ている間に熱中症になり、起き上がれなくなってさらに症状が悪化するケースもあります。十分に注意しましょう。

ゲージや普段過ごす場所に日光が当たる場合は、移動可能であればあまり日が当たらず風通しがいい場所に移しましょう。移動できない場合は、床の上に冷却パッドやペットボトルに水を入れて凍らせたものをタオルで巻き、側に置いてあげるといいですよ。

涼しいからといってエアコンの風が直接当たる場所は不向きです。


3.こまめな水分補給が大切!水がすぐ飲めるように

熱中症対策には、こまめな水分補給も重要です。

冷たい水ではなく常温の水道水でいいのでこまめに水を飲ませましょう。

留守番中には、家のいろいろな場所に飲水を用意してあげてください。水がなくなると自動的に一定量給水可能なペット用自動給水器などがおすすめです。


4.熱中症対策に役立つアイテムをうまく活用しよう

水を飲む犬

最近はペット用の暑さ対策グッズがたくさんあります。上手に活用して、熱中症対策に役立てましょう。

ひんやりプレート(冷却マット)

夏の間利用している人も多い、接触冷感素材のマットです。エアコンで適温に保たれた室内でも冷えすぎず、ワンちゃんもひんやりして気持ちいいでしょう。

保冷剤のように中にジェル状の素材が入ったマットや、ひんやり素材のソファベッドもペット用に販売されています。

アルミプレート

冷却マットだと噛んでしまうというワンちゃんにおすすめです。アルミは体温を瞬時に放熱してくれるので、ひんやり感が持続します。子犬や小型犬にはアルミ製の猫鍋もいいですよ。

大理石ボード

少し高価ですが汚れたらすぐ洗えますし、硬くて噛めません。電気も使わないのでおすすめです。

すのこ

通気性がよく、熱がこもりにくいので、ゲージの床やワンちゃんの定位置に置いてあげるといいですよ

水を入れて凍らせたペットボトルや保冷剤

タオルにくるんであげましょう。ただし、イタズラ好きなワンちゃんだと噛んでしまうかもしれないので、注意してください。

犬用ドリンク

ペットの体液に近い電解質組成のドリンクや、ペット用の水素水などが市販されています。また、夏バテ防止目的の栄養ドリンクもあります。人間用のスポーツドリンクも水で半分に薄めれば与えられますよ。

ペット用自動給水器

一定量が自動的に給水されるグッズです。タンクに水を入れておけば、水飲み容器に水がなくなったら自動的にきれいな水が給水されます。留守番中の水分補給におすすめです。


これはダメ!やってはいけない熱中症対策

良かれと思ってやっていたことが、実は逆効果ということもあります。

たとえば、

  • エアコンの設定温度を下げすぎる
  • 冷たい水や氷をしょっちゅう与える
  • 毛の長い犬の毛をカットする
  • スイカやきゅうりなど体を冷やす食品をよく与える

といったことが挙げられます。

人間は冷たい水や氷を口にすると気持ちいいので、ついワンちゃんにも与えてしまいがちですが、常温の水道水で大丈夫です。逆に冷たいものをたくさん与えると身体を冷やしたり、下痢になることもあるので注意が必要です。

犬の毛には保温と断熱の役割があるため、短くすると体温調節の機能が狂うこともあり、逆に熱中症のリスクが高くなる可能性があります。見た目が暑そうなのでカットしてあげたいと思うかもしれませんが、止めておきましょう。刈り上げや丸刈りも同様です。

スイカや冬瓜・きゅうり・レタスなどは体を冷やす食材です。とくにスイカは好きなワンちゃんも多いのでついつい与えてしまいがち。ですが、与え過ぎると糖分の過剰摂取による肥満や、身体が冷えすぎて下痢のもとになるので注意しましょう。

冷え性のワンちゃんもいる

人間と同様に、ワンちゃんでも冷え性はあります。

  • 暑いのに肉球が冷たい
  • 病気でもないのに歯茎が白っぽい
  • エアコンで適度に調整されている室内なのに、布にくるまっている

などの様子が見られる場合、もしかしたら冷え性かもしれません。

このようなワンちゃんの場合はとくに、上記で挙げたような体を冷やしやすい行動はしないように気をつけましょう。


もしかしたら熱中症?こんな症状に注意!

日に当たる犬

熱中症は急に症状が進行します。もしかして?と思う様子が見られたら要注意です。

  • 舌を出し、息づかいが荒くなる
  • 元気がない、落ち着きがない
  • 目や口の粘膜が充血している
  • 急激な体温の上昇(40℃以上になる)
  • 嘔吐や下痢
  • 大量のよだれ
  • ぐったりして、起き上がれない
  • 体がけいれん
  • 意識がなくなる

このような症状が見られたら、なるべく早く病院へ連れていきましょう。事前に電話しておくと、着いてからの対応がスムーズです。

病院へ連れて行く前にしておくことは、次のとおりです。

濡れタオルや保冷パックで体を冷やす

水で濡らしたタオルや保冷パックなどで首・ワキ・内股などを冷やしたまま移動してください。意識がはっきりしていない場合は、浴室などで全身に水をかけるか、水の入った桶に首から下をつけます。水は常温で。

常温の水またはスポーツドリンクで割ったもので水分補給

あればスポーツドリンクを水で半分に割ったものを与えましょう。意識がないときは無理に水を飲ませる必要はありません。

犬用のドリンクも市販されているので、万が一のために用意しておくと安心ですね。この場合も冷やしておく必要はありません。常温保存で大丈夫です。


熱中症の症状が見られたら必ず受診を

人間と同様、犬の熱中症も気温・湿度を適正に保ち、こまめな水分補給を心がけてお役立ちグッズを活用すれば、リスクはだいぶ低くなるでしょう

しかし熱中症は軽症に見えても、急に悪化する可能性もあります。熱中症の症状が見られた場合は、必ず動物病院で受診することをおすすめします。

猫 屋外

犬や猫の身体に寄生し、吸血を行うノミやマダニは、痒みを与えるだけでなく病気を媒介することもある存在。その害は、ペットだけでなく人間にも及ぶことがあり、非常に厄介です。

大切なワンちゃんやネコちゃん、そして自分自身も被害にあわないよう、ノミ・マダニにはできるだけ早く気づきたいですよね。

とはいえ、ノミ・マダニは非常に身体が小さい生き物ですから、見つけ方にはコツが要ります。

今回は、そうしたノミ・マダニの見つけ方とともに、ノミ・マダニを防ぐための対策についても解説していきます。


ノミやマダニを見つけるための3つのチェック事項

ノミ・マダニは、体長数ミリととても小さな生き物です。特にノミは小さいうえにすばしっこく、ペットの体表についたものを肉眼で探しだすことは非常に困難と言えます。

そのため、これらを見つけるには、いつもと違うペットの様子がないか観察したり、個体ではなく糞を見つけたりすることが手がかりとなります。

以下で、ノミ・マダニを見つけるためのチェック事項をみていきましょう。

1.身体を頻繁にかいている・抜け毛がある

ノミやマダニがペットについている場合、痒みのため、頻繁に身体をかく行動がみられます。たとえば、噛まれたときの刺激や、身体を這い回る感覚、さらに吸血時に出された唾液によるアレルギー性皮膚炎などが、痒みの原因となります。また、その皮膚炎により毛が抜けてしまうこともあります。

ただ、身体をかく行動は他のことが原因となっている場合もあるため、それだけで確実に判断することはできません。他の特徴についてもあわせて確認していきましょう。

2.ブラッシングなどで黒い粒が見つかる

生きたノミは、小さいうえにすばしっこく、肉眼では確認しづらいもの。ですが、ノミの糞なら見つけられます。ノミの有無を調べるには、ノミ取りブラシでペットの毛をすき、糞が出てくるかどうかをみてみましょう。

もし、ブラッシングの際に黒っぽい粒が出てきたら、濡らしたティッシュの上に、その粒をのせてみてください。ティッシュに赤黒い色がついたなら、それはノミの糞である可能性が高いといえます。なぜなら、ノミの糞には、吸血した血液が含まれているためです。

3.イボのように膨れた物体がついている

マダニの中でも危険なマダニは、吸血すると身体が100〜200倍にまで膨らみ、まるでイボのように見えることがあります。そのため、肉眼で確認しやすいのですが、そこまでマダニが膨らんでいる場合、すでにお腹いっぱいに血液を吸ってしまった後となります。

マダニは毛の少ない部位に寄生しやすいため、耳、目のまわり、指の間、内股などを中心に、膨れた物体がないかチェックしましょう。

ノミ・マダニを見つけても潰さない!

身体が小さいとはいえ、ノミ・マダニを肉眼で発見することもあります。しかし、もし見つけても潰さないようにしてください。メスの成虫を潰してしまうと、体内に抱えていた卵が飛び散り、増殖の原因となってしまいます。

また、もし吸血中のマダニを見つけたら、無理に自分で取りのぞかず、動物病院へ行くようにしてください。吸血を始めたマダニは、自分の頭部を皮膚に固定させるための物質を出しています。

「すぐにでも取ってあげたい」という気持ちはわかりますが、無理に取ると、マダニの身体の一部が皮膚に残り、化膿してしまうおそれがあります。


ノミ・マダニ対策4つのポイント

犬 ブラッシング

以上のように、ノミ・マダニを見つける方法はいくつかあります。

しかし、飼い主さんが気づいたときには、感染症を起こしてしまっているおそれがあります。

大切なワンちゃんやネコちゃんがそんなことにならないよう、きちんと予防もしておきたいですよね。

ノミ・マダニ対策としては、主に以下の方法があります。

1.定期的にブラッシングする

飼い主の皆さん、ワンちゃん・ネコちゃんのブラッシングはきちんとされていますか?定期的なブラッシングは、毛並みを整えるだけでなく、ノミ・マダニ対策としても役立ちます。

たとえば、同じ場所で吸血し続けるマダニは、動物の身体に乗ってから、吸血場所を決めるまでに時間をかけることがあります。そのため、まだ吸血に入っていないマダニであれば、ブラッシングで簡単に払い落とすことが可能です。

屋外に出るとノミやマダニがつきやすくなるため、特に散歩後は必ずブラッシングしてあげてください。ブラシの種類は、目の細かいノミ取りブラシがおすすめです。

2.ペットの過ごす環境をきれいにする

ノミ・マダニの繁殖を抑えるには、ワンちゃんやネコちゃんがよく過ごす場所をきれいにしておきましょう。たとえば、カーペットやソファ、部屋の隅などは日頃から掃除し、ペットの布団やマットは定期的に天日干しを行ってください。

時折漂白剤を使って洗濯をするのも有効です。

3.病院で処方される駆除剤を使用する

ご家庭でもある程度の予防はできますが、効果的なのは、それらの予防に加え、病院で処方された駆除剤を使用することです。病院で出される駆除剤の多くは、ノミとマダニを対象にしたものですが、フィラリアなどほかの寄生虫対策ができるものもあります。

駆除剤には、スポットタイプ、錠剤、スプレー、注射など、様々な種類がありますが、主流はチュアブルタイプになりつつあります。肉の風味をつけたソフトタイプが人気で、おやつをあげる感覚でノミ・マダニを防ぐことができますよ。効果の持続は約1ヶ月間です。

駆除剤は病院以外でも販売されていますが、自己判断での使用は、ワンちゃん・ネコちゃんに思わぬ負担をかけてしまう原因になります。できるだけリスクを抑えるために、動物病院で処方してもらうようにしましょう。

4.冬でもノミ・マダニ対策を忘れずに行う

外気温が高まりノミ・マダニが活発になる季節には、これらのノミ・マダニ対策を行っている飼い主さんも多いことでしょう。しかし、ノミ・マダニ対策が必要なのは、外気温の低い冬であっても同じです。なぜなら、室内飼いが一般的になった今、冬場でも暖かい室内でなら、ノミ・マダニも生息していられるためです。

暖かくなる季節は特に気をつけるべきですが、ノミ・マダニ対策は、年中欠かさず行うようにしましょう。


ノミ・マダニを寄せ付けないのが一番

以上、ペットにつくノミ・マダニの見つけ方と対策について解説しました。

ノミ・マダニを見つけるための知識はもちろん大切ですが、何より重要なのは、そもそもノミ・マダニを寄せつけないことです。ペットの身体や室内を清潔にすると同時に、駆除剤を適切に使用し、大切なワンちゃん・ネコちゃんを守りましょう。

蚊の吸血によって運ばれる寄生虫「フィラリア」が原因となり、最悪の場合、ペットを死に至らしめることもある「フィラリア症(犬フィラリア症)」。予防薬が普及する前までは、この病気によってたくさんの犬が命を奪われていました。

予防薬の普及により、現在ではほとんどのワンちゃんが予防を行うようになったため、フィラリア症にかかるワンちゃんは少なくなりました。しかし、もしものことを思うと、早期発見のための知識も頭に入れておきたいですよね。

そこで今回は、ペットのフィラリア症を早期発見するための2つのポイントをご紹介します。主に犬の病気とされていますが、同じくフィラリア症にかかることがあるネコちゃんの飼い主さんも、注意しておきましょう。


1.定期的にフィラリア検査を受ける

フィラリア

フィラリア症早期発見のもっとも重要な手がかりが、フィラリア検査です。この検査で、ペットの体内にフィラリアの寄生虫がいるかどうかを調べられます。

フィラリアの数が少ない初期は無症状であることが多いため、何も異常がないと考えてしまいがちです。しかし、元気そうに見えていても、体内にはフィラリアの寄生虫がいるという可能性もあるのです。

もし何らかの症状が出てきているなら、すでにある程度フィラリア症が進行しているということになってしまいます。最も早い段階でフィラリア症を発見してくれるのがこの検査ですから、必ず定期的に受けるようにしましょう。

検査なしでの予防薬投与は死亡の原因になる

フィラリア症は、予防薬を投与することでほとんど防げるため、予防がとても大切な病気です。しかし、仮に検査なしで予防薬を投与すると、最悪の場合ペットを死に追いやってしまうことがあり、たいへん危険です。

もしフィラリア症にかかっているのに予防薬を服用してしまうと、大量の「ミクロフィラリア」(フィラリアの成虫が産んだ子ども)が駆除されることで、ショック死やアレルギー反応が引き起こされる場合があります

予防薬によるショックを防ぐためにも、投与の前には必ずフィラリア検査を受けなければなりません。予防薬を投与し忘れたときはもちろん、毎年欠かさず予防薬を投与していた場合であっても、必ず検査を受けてください。

きちんと飲ませているつもりでも、実は飼い主さんの見えないところで吐き出していたり、体内でうまく吸収できていなかったりする場合もあります。どのワンちゃんにも感染の可能性はありますので、「去年問題なく薬を飲めたから大丈夫」と安心するわけにはいかないのです。

フィラリアの検査方法

フィラリアの検査方法は、血液検査が一般的です。採血した血液を、フィラリア検出キットに垂らし、フィラリア感染があるかどうかを検査します。

ただ、ネコちゃんの場合は、血液検査をしても検出されないことが多いほか、少数のフィラリアによっても死に至ることがあり、診断は困難です。そのため、ネコちゃんの場合はワンちゃん以上に予防が重要になるといえるでしょう。


2.症状がないか観察し、早めに病院へ行く

ぐったりする犬

フィラリア症早期発見のためには、症状が出ていないか確認し、早めに病院へかかることも重要です。すでにご説明したとおり、体内にフィラリアがいたとしても、初期は無症状であることが多いものです。そのため、フィラリア症の初期段階で、検査を受けずに病気を発見することは難しいといえます。

フィラリアの数が増えると症状が目立つようになります。疑わしい症状が出始めたところで病院に連れていけば、それ以上悪化する前に治療を始められますよね。

ただし、気づいた時にはかなり進行しており、元の状態には戻れない場合があるほか、まれに急性の症状が出て突然死してしまう場合もあります。そのため、検査・予防薬の投与を欠かさないことが最重要です。

定期的にフィラリア検査を受け、予防薬をきちんと投与すればほとんど防げる病気ですが、もしものことも無いとは言い切れません。「大したことはないかな」と見逃すことのないよう、当てはまる症状がないかを日頃からチェックしておきましょう。

フィラリア症の主な症状

フィラリア症の症状はさまざまであり、例として以下のような症状がみられます。(ワンちゃんの身体の大きさや状態によっても異なります。)

  • 咳が続く
  • 呼吸が荒くなる
  • 運動をいやがる
  • 元気がなくなる
  • 食欲がなくなる
  • 毛艶が悪くなる
  • 痩せる
  • 突然倒れる
  • 腹水が溜まる(お腹が膨れる)
  • 血尿が出る

フィラリアの成虫は肺動脈に寄生し、心臓から肺、または肺から心臓への、スムーズな血液の流れを妨げます。そのため、呼吸がしづらくなる・疲れやすくなるといった類の症状が出やすくなります。重症になると、かかり始めの頃よりもひどい咳や呼吸困難、腹水でお腹が膨れる、血尿が出るなどの症状が出ます。


フィラリア症は「予防」がもっとも重要

犬の予防接種

フィラリア症が発覚したら、薬あるいは手術による治療を行うことになります。しかし、フィラリア症にかかってから治療を行うとなると、心臓や血管に後遺症が表れる、長期間治療を継続しなければならないなどのリスクがつきまといます。やはり一番なのは、フィラリア症にかからないよう、予防することだといえるでしょう。

フィラリア症の予防とは、蚊が出始めてから1ヶ月後〜いなくなった1ヶ月後の間、月に1回予防薬を投与し、体内にいるフィラリアの幼虫を駆除することです。蚊を見かけるようになったら1ヶ月以内に開始するようにしましょう。

フィラリアを運ぶ蚊を避けるため、「室内飼いにすればよいのでは」と考える方もいるかもしれません。しかし、室内に蚊が入ってくる場合もあります。その数をゼロにすることはほぼ不可能でしょう。

予防薬では、フィラリアの幼虫を駆除することで、フィラリアが成虫になり、心臓に寄生するのを防ぐことができます。

フィラリアを体内に入れないようにすることはできないため、蚊が少なくなってきたとしても、飛んでいる間は忘れずに予防薬を投与し続けましょう。


たった月1回の予防薬でフィラリア症は大いに防げる

以上、ペットのフィラリア症を早期発見するための2つのポイントをご紹介しました。フィラリア症は、一度かかってしまうと治療が大変ですが、たった月1回の予防薬で大いに防げるものです。

また、フィラリア症予防のために定期的に病院を訪れることで、フィラリア症だけでなく、その他の病気の早期発見にも繋がります。大切なペットを守るために、フィラリア症の検査・予防を欠かさないようにしましょう。

どうしてなってしまうの?

悪性腫瘍(リンパ腫、血管肉腫など)、炎症(膵炎など)、重度の感染症(子宮蓄膿症など)、熱中症、バベシア症、敗血症などのさまざまな病気によって血液凝固機能が異常になり、細い血管内に小さな血栓(血の固まり)ができてしまいます。

すると、今度はそれを溶かすための線溶系という働きも盛んになります。

このように、血を固めるための凝固系と、それを溶かすための線溶系が同時に活性化してしまう状態をDICといいます。

血管内の血液を固めるのに必要な血小板や蛋白質が血栓を作ることに使われてしまい、止める必要のあるケガなどの出血がなかなか止まらなくなってしまいます。


症状は?

重度の場合には、結膜、歯肉、皮下など全身に出血や紫斑が認められます。しかし、体の内部だけで出血が進み、眼に見えるような出血を示さないこともあります。

たくさんの小さな血栓が血管内にできるため、腎臓に血栓が詰まって腎不全になるなど、多臓器不全の原因ともなります。もちろん、DICの原因となっている元々の病気の症状も認められます。


どうしたらいいの?

悪性腫瘍なら腫瘍の摘出、子宮蓄膿症なら卵巣子宮摘出術など、原因となる病気を治療することが最優先です。原因の病気を除去しない限り、DICから回復することはありません。

原因の治療と同時に、DICを緩和するための治療も行います。血液を固めることを抑える薬を投与したり、血栓を作るために大量消費されている血小板や蛋白質を補うために輸血を行うこともあります。

DICは予防することは難しい病気ですが、原因となる病気を予防すること、早期発見、早期治療することで回避することができます。また、DICが疑われる場合には、一刻も早い治療が必要です。
 どんな病気でも、それを引き金にさらに重い病気を引き起こす原因となります。小さな変化も軽く見ることなく、すぐにご相談ください。 
どうしてなってしまうの?

胃内異物とは、消化できないものを飲みこんでしまう事です。

おもちゃ、クッションの中身、梅や果物の種、石、アクセサリー、焼き鳥やお団子の串、アイスクリームの棒、硬貨など、さまざまです。

飲み込んでしまう状況としては、遊んでいて飲みこむ、お散歩中に拾う、串を持って一口あげようとしたら串ごと丸飲みした、ゴミ箱を漁る、などが多くあります。

ゴミ箱を漁った場合には、食べ物ではあっても飲みこんだ量が多すぎて消化できなくなってしまう事もあります。


症状は?

飲みこむ瞬間を目撃していれば、すぐに受診することができますが、留守中に飲みこんでいて症状が何もなければ、飲みこんだことに気付かないかもしれません。

飲みこんだ物の形やお腹の中でどんな状態にあるかによっても症状は異なり、食欲はあるが時々吐くといった軽い症状から、激しい嘔吐や下痢、腸閉塞などの重い症状まで様々です。


どうしたらいいの?

飲みこんだことが確実であれば、すぐに受診しましょう。また「もしかして、飲んじゃったかも」と思ったときにもすぐに受診してください。飲みこんだものと同じものがあれば持参していただけると助かります。

レントゲン検査や超音波検査を行います。金属の物やある程度硬い物、あまりにも大きいもの、大量に飲みこんでしまった場合には、検査で存在を確認できます。

飲みこんでしまった物の大きさや種類にもよりますが、飲みこんですぐであれば注射で吐かせることができるかもしれません。しかし、大きすぎる物や尖っている物、時間が経ってしまって腸に流れてしまった場合には、全身麻酔をかけて手術で取り出す必要があります。


愛犬、愛猫が口に何かをくわえていて、それを吐き出させたい時には、絶対に無理やり取り上げようとはしないでください。取られないためにかえって飲みこませてしまう事になります。気をそらすよう冷静な対応(おやつを与えるなど)をしてください。
 異物の誤飲は予防が大切です。生活環境中に口に入るようなものがないかどうかを、常に確認してください。 
捻転(ねんてん)ってなに?

捻転とは、ねじれてしまう事です。食べ物やガスで膨らんだ胃がねじれてしまい、急激に全身に悪影響を起こす致死率の高い症状です。

一度に大量の飲食をする、食後の運動、ストレスなどが関与して起こります。


症状は?

急激にお腹が膨らみ、背中を丸めるような姿勢になり、落ち着きがなくなります。吐こうとしているのに何も吐けず、多量の涎をたらし、呼吸が苦しそうになり、沈うつ状態になります。

症状が重篤になると、体の中心を走る大きな血管にも影響するため、他の臓器や心臓に血液が行き渡らず、臓器の壊死や心筋虚血などを起こし、ショック状態に陥ります。このため治療が遅れると、死に至ることが多くあります。


どうしたらいいの?

まずは、胃の中に溜まっているガスや食べ物を、口からチューブを入れたり、お腹に針を刺したりして抜きます。全身状態を安定させるために、点滴なども同時に行います。

急場を凌ぐことができたら外科手術を行い、ねじれた胃を元の状態に戻します。同時に、再び捻転が起きることのない様に胃袋を縫いとめて固定する処置も行います。

手術が無事終了したら、悪化してしまった全身状態を改善するための治療を行います。

十分な治療をしても致死率は20%ほどあり、迅速な対応が必要になります。

お腹が膨らんでくる、涎が大量に出るなどの異常が認められた場合には、すぐにご来院ください。また、一度にたくさん飲食をしない、食事の直後に運動しないなど、毎日の生活にも十分注意してあげてください。 
どうしてなってしまうの?

心筋症とは、心臓の筋肉自体がさまざまな原因により障害を受け、心臓がうまく機能しなくなる病気の総称です。

肥大型心筋症は、猫で最も多く発生する心筋症のタイプの一つで、重篤な合併症として動脈血栓塞栓症が知られています。

肥大型心筋症はその名の通り、心臓の筋肉そのものが分厚くなってしまう病気です。

そのため血液の通り道が極端に狭くなってしまい、呼吸がしづらくなったり、血栓(血のかたまり)ができて血管がふさがったりしてしまいます。

老齢猫で多い甲状腺機能亢進症や腎性高血圧が原因で発症する肥大型心筋症もあります。しかし、肥大型心筋症を発症する年齢は数か月齢から17歳まで報告されており、いつでもこの病気になる可能性があります。


症状は?

一般的に、初期には特徴的な症状はありません。

心臓が悪くなってくると、食が細くなってきたり元気がなくなってきたりしますが、性格や年齢のせいだと思って気づいてもらえないことがほとんどです。病気が進行すると呼吸が荒くなる、咳が出るなどの症状が出てきます。

また血栓塞栓症を合併すると、麻痺や痙攣発作、腎不全などを発症します。


どうしたらいいの?

肥大型心筋症を疑った場合は、レントゲン検査や超音波検査で心臓の大きさや形を検査します。

また、肺に異常がないかどうかも確認します。心電図検査や血圧測定も行い、心臓の状態を詳しく調べます。血液検査などを行って、他の病気の可能性もあわせて検査します。血栓塞栓症により、緊急の治療が必要な場合には入院することになります。

病気の進行状況に合わせた内服薬を続けることで、お付き合いしていきます。食事や生活環境の管理も重要になります。

症状が安定しているからといって、安心は禁物です。どんなに元気に見えても、心臓や血液の検査を定期的に行う必要があります。

肥大性心筋症は、症状が出ない期間が長い病気です。元気に見えても、実はこの病気が始まっているかもしれません。症状が出ないうちに見つけて対応してあげるためにも、若いうちは1年に1度、シニアになってからは1年に2度は健康診断を受けてあげてください。
 当院ではペットドックを実施しております。お気軽にご相談ください。