中央区月島・勝どき・豊洲のアニーマどうぶつ病院です。当院では皮膚科、ガン・腫瘍科に力を入れています。

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コラム

  • 2018 (11)

コラム

  • 2018 (11)

1.コラム

夏に猫の具合が悪くなったら疑うべき4つの病気!症状と予防法を解説

猫

「猫はこたつで丸くなる」という有名な歌詞があるように、猫はとにかく寒さに弱いというイメージが強いですよね。

しかし「そのぶん、暑い夏は元気で問題なし」というわけでは当然ありません。

夏に猫ちゃんの不調が起こるケースも多々あるのです。そんなときに、まず疑うべき病気として挙げられるものは以下の4つ。

  • 1.アレルギー性皮膚炎
  • 2.外耳炎
  • 3.食中毒
  • 4.熱中症

では、それぞれの病気について、予防法や対処法とともに説明していきます。


1.アレルギー性皮膚炎(体をかゆがる・抜け毛・皮膚の赤みなど)
  • 体をかゆがることがやたら増えた
  • 毛が抜ける
  • 皮膚に赤みやただれなどの異常が発生する
  • くしゃみの回数が多くなる
  • 鼻水が出ている

などといった症状が出ている場合は、アレルギー性皮膚炎を起こしている可能性があります。

猫のアレルギー性皮膚炎には、アトピー性のもの、食事が原因となるものなどもあります。しかし、夏場にぐっとリスクが高くなるのは「ダニ・ノミ・蚊などが原因のアレルギー」です。

ダニ・ノミ・蚊は、そのいずれも高温多湿の夏場に大繁殖します。そのため冬場に比べると、これらによるアレルギー性皮膚炎のリスクが格段に高くなってしまうのです。

リスクを減らす方法としてはまず、フロントラインなどのダニ・ノミ駆除剤を使うことをおすすめします。とくにダニ除けとしては、この方法がきわめて効果的です。

ほかにも、

  • 部屋を掃除する、除湿するなどしてダニの繁殖リスクを減らす
  • 虫除けの首輪やペット用蚊取り線香など使う

といった方法を併用するのがおすすめです。


2.外耳炎(耳垢・耳の赤みや膿・耳をかくなど)

猫 耳

  • 耳が臭い
  • 耳垢が目立つ
  • 耳が赤く皮膚がゴワゴワした厚みのある感触になっている
  • 耳に膿がある
  • 後ろ足で耳をかく仕草がやたら多い
  • 頭をブンブン振る仕草が多い

などといった症状が出ている場合は、外耳炎になっている可能性が高いです。

夏場に外耳炎が多くなる理由は、高温多湿の環境下で耳も蒸れやすくなってしまうからです。蒸れた耳に雑菌・細菌が繁殖し、それが原因で炎症を起こしてしまいます。

とくに、スコティッシュフォールドのような折れ耳タイプの猫ちゃんは耳が蒸れやすい状態となっているため、外耳炎のリスクも高くなります。

予防・早期発見のためには、やはりこまめな耳のチェック&耳掃除が大切。週に1回は耳の状態を目視でチェックし、さらに月に1~2回、ペット用のイヤークリーナーを使って耳掃除をすることをおすすめします。

耳掃除を嫌がる猫ちゃんも多いですが、そんな場合は、猫ちゃんが寝ている隙ををみて、毎日少しずつ耳掃除をするといいですよ。


3.食中毒(嘔吐や下痢など)

嘔吐や下痢などの症状をともなう食中毒も、夏場に多く発生する病気です。

まず、当然ですが缶詰やレトルトなどのウェットフードについては「食べ残したぶんを、また食べるまでそのまま置いておく」ことは厳禁です。食べ残しはすぐ冷蔵庫で保存し、なおかつ冷蔵保存したぶんもできるだけ当日中に与えるようにしましょう。

また「ドライフードなら安心」と、食べ残しを長時間置きっぱなしにするケースは少なくありませんが、これも危険です。たとえドライフードであっても、猫ちゃんが一度口をつけたところからどうしても雑菌繁殖は起こりやすくなってしまうものなのです。


4.熱中症(耳が熱を持っている・反応が鈍い・呼吸が荒いなど)

猫ちゃんは人や犬と比べると暑さに強いと言われていますが、油断は禁物です。

熱中症の要因には温度だけでなく湿度も関係しています。高温なだけでなく湿度も高い日本の夏では、猫ちゃんも熱中症になってしまうことが少なくないのです。

涼しい場所に行きたがる、耳が少し熱を持っているといった症状があったら要注意。

猫ちゃんにこうした様子が見られたら、

  • すぐに涼しい場所に移動させる
  • エアコンの温度設定を下げてさらに扇風機をかける
  • 水道水で濡らしたタオルで覆い、ぬるくなったらすぐにタオルを交換する
  • 保冷剤を使う

などといった対処をして体温を下げてあげましょう。

さらに、以下のような症状が出たら危険信号です。

  • 呼びかけに対する反応が鈍い
  • 口を開けてハアハアと呼吸が荒い
  • よだれをダラダラ垂らす

保冷材や冷たい濡れタオルを使った応急処置を速やかに行った上で、すぐに獣医さんに診てもらうようにしましょう。

とくに下記のようなケースは熱中症のリスクが高めになるので、より注意して見てあげてください。

  • 肥満傾向の猫ちゃん
  • 体力が落ちてくる8歳以上の年齢の猫ちゃん
  • 水をあまり飲まない猫ちゃん

熱中症の予防法としては、エアコンの使用はもちろんのこと、クールマットや遮光カーテンなども併用する方法がおすすめです。

また、猫を水分不足にさせないことも大切です。

  • 猫が好む給水ポイントをはじめ、複数の箇所で給水ができるようにしておく
  • 水にほんの少し肉のゆで汁などを入れて、好んで飲むように促す
  • ウエットフードに切り替えて、食事での水分量を多くする

などといった工夫もしておきましょう。

ふやかしたドライフードをあげていると、歯周病の原因になりますので、注意しましょう。


「猫は不調を隠す動物である」ことを理解しておこう!

猫

さて、ここまで夏に猫の具合が悪くなった際に、疑うべき病気の代表格を4つ挙げてきました。

しかし、当然のことながらここで挙げた以外の病気にもかかる可能性はあります。「この4つの病気さえ気をつけていればOK」というわけではありません。

さまざまな病気を早期発見するために日ごろから心がけておきたいポイントは、「猫ちゃんの普段の仕草や態度などをよく観察しておく」ことです。

なぜなら、猫ちゃんは不調を隠そうとする傾向が強い動物だからです。

猫ちゃんが隠そうとするぶん、飼い主さん側でしっかりと観察しておかないとちょっとした不調のサインに気づくことができません。すると病気の発見が遅れてしまうリスクが非常に高くなります。

主な不調のサインとしては、以下のようなものが挙げられます。

  • いつもと鳴き声が違う
  • 撫でてもいないのにゴロゴロと喉を鳴らすことが多い
  • いつもは行かないような狭い場所や暗い場所などに隠れようとする
  • 便秘や下痢など、いつもと違う排泄異常がある
  • 食欲が減った
  • 体重が減った
  • 毛玉を吐き出すときとは違うタイプの嘔吐をすることがある
  • 寝ているときの呼吸音がいつもと違う
  • 以前より日中に寝ている時間が長くなった

このようなちょっとしたことが病気のサインになっていることは少なくありません。

もちろん、これ以外にも「何かが今までと違う」と感じることがあれば、念のために動物病院を受診することをおすすめします。


猫ちゃんの異変に気づいたら当院へご相談ください

今回ご紹介したとおり、夏場の猫ちゃんに不調があった場合、とくに疑うべき病気としてはアレルギー性皮膚炎・外耳炎・食中毒・熱中症の4つが挙げられます。

猫ちゃんは不調を隠そうとする動物です。あらゆる病気の早期発見を実現するために、日頃から猫ちゃんの様子をよく観察しましょう。

「いつもとは何かが違う」という違和感に気づいたら、お気軽に当院へご相談ください。

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